こんにちは
マナビツナグヒトのみこりんです。
この本の読書会をしました。
「私たちは子どもに何ができるのか」
by ポール・タフ(英治出版)
今年のベスト本の1冊、
困難な環境にある子どもたちの
非認知能力を育むために
何ができるのかを研究や実践をもとに
提案した良書です。
本書に書かれていることについて
誰かと話をしたくて、
読書会を開催しました。
読んで語る中で印象に残ったのが、
「学習の積み木」と言う幼少期の能力です。(P77)
非営利団体「ターン フォー アラウンド」が発表した、
この報告書によると、
レジリエンス・好奇心・学業への粘りといった
高次の非認知能力は、まず土台となる実行機能、
つまり自己認識能力や人間関係をつくる能力などが
発達していないと身につけるのがむずかしい。
こうした能力も、人生の最初期に築かれるはずの
安定したアタッチメントや、ストレスを管理する能力、
自制心といった基盤の上に成り立つ。
のだそうです。
それを認識せずに教育をしようとしても、
子どもたちはそれに十分なツールが無い状態で
学習を進めることになり、
結果としてそれらを処理することが困難になり、
差が生じてしまうというのです。
教師は、
集中力がないことや基礎的な能力に欠けていることを
学業不振の原因にしたがる癖があります。
(私もその一人です)
ですが、
この「学習の積み木」を理解しておくと、
学業不振の要因をもう少し深めて見とることができ、
子どもを悲しませることも減ると思いました。
本書では、
これらの基盤や土台の必要性は説いているものの、
家庭の状況でそれが十分に育まれなかった
子どもたちへの救いも書かれています。
「私たちは子どもに何ができるのか」
繰り返し現れるこの問いは、
ここでも見ることができました。
そして、実際に行われているプログラムの
成果も描かれていました。
困難な状況で育ってきた子どもにも
学び成長する可能性はあると
この本は教えてくれます。
読書会は、
ほとんど周知しなかったこともあり、
参加してくださったのはお一人でした。
でも、とても貴重なお一人でした。
本書や他の類書について
読んだことを話し合い
あっという間に2時間が経ってしまいました。
様々、読書会は体験していますが、
「読みたい」本、「語りたい」本を通じた
読書と対話というとても贅沢で濃密な会になりました。
付け加えますと、
本書以外に1冊ずつ選んで類書を読みました。
それも紹介しますね。
関心のある方は読んでみてください。
どうもありがとうございました。
「私たちは子どもに何ができるのか」
by ポール・タフ(英治出版)
「世界一子どもを育てやすい国にしよう」
by出口治明・駒崎弘樹(ウェッジ)
「デンマークの親は子どもを褒めない」
byジェシカ・ジョエル・アレキサンダー他(集英社)
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