野田市の女児の虐待死に関して新たなニュースが出るたびに、重い気持ちになります。虐待から子どもの命を守るために、一番大切なことを誰もが忘れてしまっていたのではないか・・・そう思えてなりません。
こんにちは
マナビツナグヒトのみこりんです。
野田市の女児の虐待死に関して新たなニュースが出るたびに、
重い気持ちになります。
子どもの命を守るために、
一番大切なことを誰もが忘れてしまっていたのではないか・・・
そう思えてなりません。
亡くなった女児の無念に心からお悔やみを申し上げ、
ご冥福を祈るばかりです。
DVと児童虐待をどう見るか
以前、出向先で配偶者からの暴力被害者支援を担う方向けの
研修を企画・運営していました・
その時に、専門家の先生から学んだことが、
今でも強く心に残っています。
DV:domestic violence を訳すと、
「親密な関係の中で生じる暴力」となります。
通常、DVのことを夫婦や恋人間で生じる暴力と
表されますが、
私はこの訳である「親密な関係の中で生じる暴力」と
捉え、児童虐待も、高齢者虐待もその視点で見るようにしています。
配偶者からの暴力被害者支援の現場で言われていたことは、
「暴力の目的は力によってコントロールすることである」
ということでした。
肉体的にも社会的にも強いものが弱いのを支配し、
コントロールするために、力を行使するという構図です。
加害者はコントロールするために、
あらゆる手段を使います。
肉体的な暴力もその1つです。
そして、言葉により相手の自尊心を傷つけたり、
目の前で物を壊す、恫喝するなど恐怖心を与えたりすることも手段ですし、
相手の大切なものに傷をつけることもそこに入ります。
配偶者からの暴力の場合、
本人のみならず、子どもや親を傷つけることで相手をコントロールする、
そういう手段もあります。
怨恨ではなく、コントロールです。
なので、その目的のために子どもがターゲットになる事もあります。
だから、この事件の場合、DVの報告があった以上、
子どもへの暴力は最初から想定内のこと、
なぜ、その相談が親族や本人からあったにも関わらず、
放置されてしまったのかが疑問です。
児童虐待から子どもを守るために一番大切なこと
複数の人間から成る集団では、
関係が良好な時はお互いを大切にする意識や空気がありますが、
一旦そこに歪みや不具合が生じたら、
一番弱いところにその負荷がかかります。
広く社会をイメージしてみてください。
そういう場面が1つか2つは思い浮かぶと思います。
家庭内で問題があった場合、
一番弱い対象とは子どもです。
私は、1000人以上の子どもと教員として関わってきました。
その経験において、家族の問題を背負う子どもの姿も
見てきました。
それは、問題行動として出てきた場合もありますし、
一人で健気に頑張る姿として出てきた場合もあります。
児童相談所や警察、福祉行政が介入していた場合もあります。
どのケースも子どもには罪はなかったです。
ただ、背負ってしまったものが大きかった・・・
そういうことは多かったです。
子どもはなぜ弱い対象なのかというと、
ひとりでは社会で生きていくすべを持たないからです。
子どもが困った時に頼る先として、
親、祖父母や親戚、学校の教職員、友達、近所の人が考えられます。
とはいえ、普通に考えれば、
生活の面倒まで頼ることができるのは、
親か祖父母・親戚になるでしょう。
ほとんどの場合は、親が生きる手段です。
普通の家庭では
子の育ちを親が大切に支え、援助します。
それができない家庭では、
子の育ちへの援助がないのです。
下手をしたら、命を繋げられない子だって
いるのです。
子どもは、ひとりでは生きていけない、
育ててくれる親(あるいは親代わりとなる存在)がなければ、
社会の中では、生きていけないのです。
「子どもを守る」という場面で
私が、一番大切だと思うことは、
このことをきちんと理解しておくことです。
子どもが育つということは、
環境によってはかなり危ういということ。
家庭が機能していない子どもの場合は
生命のリスク(緊急、長期的にかかわらず)も高いこと、
そのことを心しないと
虐待や家庭内暴力がある子どもを守ることは難しいのです。
*写真は記事内容とは関係ありません
まとめ
・DV、児童虐待を別に考えるのではなく、
どちらも子どもにとっては「暴力被害」が生じることを知っておくこと。
・子どもを守るためには、社会的に弱い存在であることや、
家庭環境の不全により、生命のリスクが高まることを知っておくこと。
その上で・・・
現に、今この時も、
柏児童相談所を始め、全国の児相には、
何らかの被害を受けた、あるいは家庭での養育困難と認められた、
子どもたちがたくさんいるのだということを
忘れてはいけません。
事件の影響で、彼らの環境が改善するならよいのですが、
悪化することがないように願います。
読んでくださりありがとうございました。