こんにちは
マナビツナグヒトのみこりんです。
休日に映画を観てきました。
「ブランカとギター弾き」
*シネスイッチ銀座にて上映中
たまたまラジオでこの映画についてのインタビューを聞きました。
写真家が作ったストリートチルドレンのロードムービー、
撮影地であるマニラの子どもたちの様子にも興味を惹かれ、
観に行くことにしたのです。
ブランカという少女が母親を買うために、盲目のギター弾きピーターと旅をする物語。
その過程で、マニラという都市が持つ様々な問題やそこで生き抜く人々のしたたかさも描かれていて、
感動したと一言でいえない複雑な思いを得ました。
1.映像の美しさ
この作品が初の長編映画監督作品となった、
長谷井監督は写真家ということもあり、
スクリーンに映し出される景色や人々の表情、
目に入るもの全てが存在感を持って語りかけてきます。
スラムの埃っぽさ、繁華街のいやらしいぎらつき、登場人物が見せる微妙な表情の変化、
その一つひとつのリアルさに見入ってしまいました。
この映画の登場人物はほとんど、マニラの路上で暮らす人々。
彼らの生活を間近にしたことも説得力のある映像の要因かなあと思いました。
2.過酷な現実
路上で暮らす子どもたちにはほとんど親がいません。
毎日、何かしらの稼ぎや施しを元に、その日暮らしをしています。
ギラギラした目は、常に生きようとするエネルギーを訴えかけます。
生きるためには手段を選ばない、
そうする人達の企みに翻弄され、ブランカに危機が迫るのです。
ブランカは、母親をお金で買おうとするのですが、
それを咎めるピーターに対しブランカが放つ言葉、
「大人は子どもを買うのに、子どもは大人を買ってはいけないの!?」
に、強く胸を突かれました。
子どもの視点、子どもの叫び、ブランカが代弁していると感じました。
母親を買えば、自分が帰る家ができる。
そんな思いもあったのでしょう。
そういえば、
ブランカの寝床のシーンが多く出てくるのですが、
「寝る場」を探す旅でもあったのかもしれません。
安心して眠れる「家」、それこそがブランカの望みだったのかも。
でも、ブランカが見つけたのは単なる「家」ではありませんでした。
人と人の温かいつながり、
それが自分にとって大切な「home」であると最後は気づくのです。
温かなシーンで映画は終わります。
でも、その後流れるクレジットに唖然・・・・。
「home」を手に入れるのはかくも難しいものなのか?
子どもたちの現状を憂うずにはいられませんでした。
優しい眼差しで社会問題を切り取るとこうなるのかなって
思える映画でもありました。
楽しいとかスカッとするとか、そういう映画ではありませんが、
多くの大人に観ていただきたいなあと思える映画です。
読んでくださり、ありがとうございました。