映画:「はじまりへの旅」〜へんてこりんな家族の旅に心が揺さぶられました〜

こんにちは

マナビツナグヒトのみこりんです。

突然ですが、

あなたは、自分の『価値観』をどれだけ強く信じていますか?

その『価値観』をどのくらい体現していますか?

この映画を観て、その問いを突きつけられた気がしました。

『はじまりへの旅』
文明社会とは離れて森の奥地でサバイバルライフを営む家族。

その家族が、母の死をきっかけに、

それぞれのあり方を問い直すロードムービー。

観終わったあとに色々考え、

この作品が持つテーマを反芻するように印象に残ったシーンや台詞を

思い返しています。

父親の信念

ベンは6人の子を持つ父親。

彼が子ども達に捧げる愛情はとても強く深いもの。

彼が大切にする価値観、

例えば1人でも生き抜く力や深い教養、自然への尊敬などを、

生活の軸として実践し、かつ、子ども達に徹底的に教え込みます。

子ども達は、その父親を愛し敬い、

その価値観を自分の信念のように育みながら、成長しています。

印象深いものとして、

娘が読んでいる本について問いかけるシーンがありました。

「もやもやとしている」と答える娘に対し、

もっと自分の言葉で語れと促し、

それに応えて、自分が感じたことを再び咀嚼し、

自分の言葉として伝えきった娘に誇らしそうに頷く姿。

短いシーンでしたが、

父としての強さと温かさに心を打たれました。

ベンの信念は、社会の常識の中、大きな葛藤を生むのですが、

そこでの決断では、やはり父としての思いが一番強かったと感じました。

母親の存在感

子ども達の母親のレスリーは、

回想シーンでしか登場しません。

彼女の「死」が、親子の旅のきっかけです。

どういう母親だったのかはあまり触れられていないのですが、

一般的な常識社会と家族にとっての常識社会。

これは非なるものですが、そこをつなぐ役割を果たしていたとも思えます。

家族にとって彼女はまさに聖なる存在。

ミッション「ママを救え」は、

家族が愛した、ママの思いを遂げようとするもの。

途中、バラバラになりかけた家族をつなぎ、

彼らの新たな旅立ちを生み出します

死後も、この家族をまとめる支柱として、強い存在感を示す彼女は、

まさに聖なる母であると思いました。

ベンの髭とボウの髪が表すもの

映画のクライマックスシーンで、

ベンがぼさぼさに伸びたヒゲを剃る場面があります。

このありふれた行為に、ベンの心の動きを思いました。

その後、長男ボウ(サバイバルライフの中でも一流大学に合格してしまう天才!)も

長く伸ばした髪の毛を切り落とします。

ボウは、父の信念を自分の信念のように持ちながらも、

旅を通して初恋や父への反抗を経験しながら、

独自の価値観を築いていくのです。

2人はこの髭と髪の毛を捨てることで

新たな価値観を自身に取り入れていったのではないかと思いました。

「失ったもの」と「手に入れたもの」。

この映画を思い返すと、「『喪失』と『再生』」という言葉が、

私の中に浮かび上がってきました。

その象徴が、髭と髪の毛?

そんな風にも思えてしまいました。


まとめ

ちょうど、過去を振り返る作業をしていたこともあり、

観たあとに、様々な思いが渦巻く映画となりました。

私の「信念」てなんだろう?

それは、本当に私が大切と思えていることなのだろうか?

その問いに対する応えは見つかっていないけど、

「自分らしく」を追求して生きることも「旅」なんだなと思います。

だったら、この「旅」を楽しむのもいいんじゃない?

答えを得ようとしなくてもいいんじゃない?

今はそう思っています。

読んでくださりありがとうございました。

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この記事を書いた人

みこりん