天才のたまご

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「給食費未納」by鳫咲子〜本来の給食の意義とは?〜

      2017/08/18

こんにちは

マナビツナグヒトのみこりんです。

先日「栄養格差」という新聞記事を目にしました。
https://mainichi.jp/articles/20170803/k00/00e/040/195000c

これによると、低所得層の子どもたちとそうでない子どもたちには、

成長時に必要な栄養素(タンパク質、鉄分など)が十分に足りていないこと、

両者が取る栄養に格差が生じていることが専門家の調査によりわかったということです。

この差が表れるのは、週末や長期休業期間。

つまり、給食がない日であるということです。

記事では、給食頼みという言葉を使っていました。

学校の給食指導では、

アレルギーや偏食、少食、過食、食事のマナー等、

頭を抱えることもあるのですが、

子どもたちにとっては必要な栄養をとることができる

(しかも今はかなり美味しい)

重要な時間なんだと感じました。

しかしながら、給食に関しての問題に給食費未納というものもあります。

「給食費未納」by鳫咲子(光文社新書)

を読みました。

給食費から子どもの貧困問題や福祉的支援の方向性を論じた本であり、

学ぶことも多いと感じました。

その中でも特に印象に残ったことがありました。

給食費未納から見える家庭の困難さ

文科省が出している平成24年度の調査結果を見ると、給食費未納の家庭は、小中合わせても

全体の約1.0%なんだそうです。

思ったよりも少ない・・・と感じました。

今までは、その原因として、保護者の経済的な問題よりも、責任感・モラルの問題に

フォーカスが当たってきたように思います。

但し実際にどうなのか?

家庭の内側まで、調査が正しく見取れるとは言い難いでしょう。

にもかかわらず、払わない家庭には食べさせるなという乱暴なことを言う方もいます。

様々な家庭の要因がありますが、

子どもの権利という点が忘れられがちということに問題を感じます。

それよりも、「未納」から家庭の困難さを感じ取る感性が必要なのではないでしょうか。

経済的な困難もあれば、保護者の養育に関する困難もあります。

子どもの虐待、家庭内暴力、地域からの孤立、保護者自身の障害など、

複雑に絡み合っている可能性もあります。

そうなると、個人では対応しきれません。

モラルや規範意識を疑う前に、

福祉の支援も視野に入れて家庭に向き合う必要があると思いました。

学校給食の始まりから考える本来の意義

第3章では、学校給食が欠食児童の支援として始まった歴史が書かれています。

戦前は欠食児童・貧困児童の救済を目的として限定的に開始されたこと

戦中・戦後は多くの子どもの栄養状態を改善する必要に迫られ、普遍的制度として発展してきたこと

つまり、凶作・災害・戦争・大規模失業等が起きると、欠食や口減らしなどの形で

最も影響を受けたのは子どもであったということ。

子どもの食が脅かされる事態に対応する形で学校給食が発展してきたことから、

学校給食によって、子どもに直接食事を保障することは子どもの食のセーフティネットであると

いうことが書かれていました。

学校給食の本来の意義は、子どもの健やかな育ちを確保することにある。

それを、心に刻み、給食費未納に関しては対策を講じるべきだと思います。

未納が子どもの食を脅かすことになってはいけない、と歴史が教えてくれているのです。

給食費は無料にならないのか

全ての子どもの健やかな育ちを確保する、そのための食のセーフティネットが給食であるならば、

給食費を無料にすることがよいのではないかと著者は書いています。

実際には、自治体の支援と家庭からの負担金とで学校給食は運営されています。

費用を負担できない家庭には、状況に合わせて、生活保護や就学援助という仕組みもあります。

ほとんどの家庭は、このいずれかに治まり、支払いができているのです。

「未納」家庭は、これらにあてはまりません。

極端な言い方をすると、

◯経済面等家庭が抱える困難により支払いが不可能な家庭

◯支払う余裕はあるが、その意思が全くない家庭

が「未納」家庭ということになるでしょう。

現在の対策は、この家庭の保護者を対象にされています。

私も、そういう家庭に支払いのお願いをしています。

でも、このどちらからもお金をいただくことはほぼ無理です。

だから、払えない家庭にどうするか・・・という論点では解決はしないように思います。

それよりも給食の意義からすると、

子どもファーストで考えたいと思います。

保護者の状態には関係なく、全ての子どもが給食を食べることができる、

そういう制度にしていくことが真っ当ではないかと思うのです。

本書では、既に給食完全無料となっている自治体(小規模が多い)があること、

第3子等から無料という自治体があることも触れています。

財源の問題もあるでしょうが、

その方向に向けた議論が全ての自治体で行われることを願います。


色々考えさせられました。

「給食費未納」by鳫咲子(光文社新書)

読んでくださりありがとうございました。

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