こんにちは
マナビツナグヒトのみこりんです。
日本の学校にず〜っと勤務しているので、
日本式教育制度が常識的なものと捉えているところがあります。
色々な人からの話を聞いたり本を読んだりすると、
そのこだわりをつるはしのようなものでガツンと割られ、
今までの思い込みがポロポロと剥がされていく感を得ます。
今回読んだ本書は、
アメリカの公教育に実際に入り込み、
その違いや日本との比較から、
子どもにとって望ましい教育のあり方を提言しているものだと思いました。
「アメリカの教室に入ってみた」by赤木和重
(ひとなる書房)
読んで印象に残ったことは次の3つです。
1.貧困の中の教育の難しさ
筆者が滞在していたニューヨーク州のシラキュースという地区は、全米で23位の貧困都市。
公立学校の教育事情もよいとは言えず、治安や学力に深刻な問題を抱えています。
貧困が教育や子ども達の成長に与える影響に胸が詰まる思いもします。
2.アメリカと日本のインクルーシブ教育の違い
それぞれ次のキーワードで違いを表していました。
アメリカ:「違いを尊重する」「個人主義」
日本:「同じこと」「つながり・協調」
対極にあるように見えますから、安易に、どちらがよいとも言えないし、
そのよさを取り入れようと言うのもはばかられるなあと感じました。
3.流動的異年齢教育
年齢差や障害の有無で区別をすることなく、
様々な子ども達が一緒に学ぶ教育の姿がありました。
この教育を可能にするキーワードが、
「個別化」「協同化」「プロジェクト化」だそうで、その事例もいくつかあげられていました。
また、この教育の意義として、
・自己肯定感が高くなること
・社会性が発達すること
・「障害」が目立たないこと
もあげています。
実際にその場に身を置いて体験したことからの知見は
とても力強いなあと思いました。
ページ数は多くないのですが、
全体的に簡潔な文章で事例も多く私にとっては有用な本でした。
時折挟まれるコラムにも目を惹く箇所が多数あります。
本書からの学びはまた違うところで紹介していければと思っています。
読んでくださりありがとうございました。