STRENGTH SWICH(ストレングス スイッチ)byリー・ウォーターズ(光文社)を読んだので、紹介します。
こんにちは
マナビツナグヒトのみこりんです。
STRENGTH SWICH(ストレングス スイッチ)
byリー・ウォーターズ(光文社)
を読んだので、紹介します。
強みに基づいたアプローチを子育てに取り入れる、
それを、ポジティブ心理学の研究者が、
実際にご家庭で試してきたことを、
まとめた本です。
強みを伸ばすことに着目した子育ての効果が
ここに現れています。
弱点、欠点を指摘され、育てられた私たち
「○○してはいけない。」
「○○のようにしなければいけない。」
私が育ってきた過程で、度々耳にした言葉です。
してはいけないことをしてしまったら怒られます。
しなければいけないようにできなければ、
情けないと呆れられます。
私は小さい頃やせっぽちな子でした。
好き嫌いはないのですが、食べるのが遅く量も少ない。
だから、食事の時はいつも怒られていました。
「みこちゃんは食べるの遅いから・・・」
「みこちゃんはこれだけの量も食べられないの?」
食べるたびにダメ出しでした。
食べる速さや量を叱るよりも、
好き嫌いせず食べることの方を褒めてもらえれば、
もっと食事への興味がついたろうにな。
それだけじゃなくて、
できないことよりもできることに目を向けられる子に
なったんじゃないかな、
て今になって思います。
私だけじゃないでしょうね、こういう経験は。
いわゆる、欠点補正することが躾だった
旧式の子育てだったのでしょう。
『強みに基づくアプローチ』の効果とは
著者の調査によると、
強みに注目するタイプの親を持つ10代の子どもにはいくつかの心理的特徴があるそうです。
・人生に対する満足度が高い。
・強みを生かして友達との問題を解決する。
・日常的なストレスをあまり感じない。
〜本書29,30ページより
そしてこうも述べています。
強みに基づくアプローチは、その人が持って生まれた特徴を活かすことで、充実した人生を送る力を与えれくれる。
強みに基づくアプローチでわが子を育てれば、子どもは「自分には強みがある」という考えを吸収して、その強みを使って自らの人生を切り拓こうとする。
〜本書16ページより
50を過ぎた今になっても、
「私の強みってこれなのよ!」と堂々と言えない私、
そんな自分のことを考えると、
一番身近で一番理解してほしい存在の親が
自分の「強み」を理解して一緒に伸ばしてくれれば、
どれだけ人生変わってたんだろう?
て思います。
だから、親が、子どもの強みに着目した働きかけをすることは、
子ども自身が強みに気づき、
それを伸ばそうとすることにもつながるのでしょう。
「強み」を見出し、引き出すためにどうすればいいのか
私が一番知りたかったのはここです。
「強み」を見出す方法、引き出し伸ばす方法。
「強み」はどのように見出すのか?
まず、次の強みの3要素について理解します
⑴「得意なこと」(上手にこなせる)
⑵「熱意を持っていること」(楽しんで行う)
⑶「頻度が高いこと」(積極的に行う)
この際気をつけなければいけないのが、
強みには本来の強みと、環境により作られた偽りの強みがある、
ということです。
そのためにも次の4つのタイプも理解しておくといいです。
⑴「軸になる強み」
これは、先の3要素が入っている主になる強みのことを言います。通常、「強み」と言えばこのことを指します。
⑵「成長する強み」
これは、上達の可能性があり熱意を持って取り組むものの頻繁には行わない強みのことを言います。しかし、ここに気づき、伸ばす環境を整えるとこの強みはメキメキと力を発揮し、本人の強みへと育っていくと言います。
⑶「偽りの強み」
これは必要に応じて「外から付け加えた」強みです。得意ではあっても熱意は伴わず、必要なときに発揮されるのものです。
⑷「弱点」
得意でもないし、熱意もないが、必要に応じて使うもの。誰にでも弱点はあるが、それに目を瞑るのではなく、正しい対処を施すことが必要だそうです。
そして、日常生活において上記のことを意識して観察することで、
子どもの強みを見出すことができるのです。
「強み」を引き出し伸ばす方法
「強み」の、ループを回すことで伸ばすことができるそうです。
すなわち、
「得意」だから楽しい
↓
楽しいから「熱意」を持って取り組む
↓
それがうまくいくから「頻繁」に行う
↓
すると益々「得意」になる
というループです。
つまり、親は我が子の「強み」に気づいたら、
それを楽しんで、かつ繰り返し取り組める環境を
作ってあげることで自然と「強み」を伸ばすことができるのです。
これを公式で表すと
強みの開発=能力×努力
となるそうです。
いくら「強み」でもそれを使って伸ばす努力をしなければ、
本来の力を発揮できないのだそうです。
本書の特徴
先にも書きましたが、
研究者である著者が自身の仮説に基づき取り組んだ実践が、
本書の軸になっています。
そして、その仮説を支える根拠となる
脳神経科学・遺伝学・ポジティブ心理学の最新の研究や発見も
併記されています。
加えて著者以外の家庭の具体的事例。
さらには、「強み」に基づく子育てアプローチのエクササイズ、
実際に必要に応じ家庭で使える手法も豊富に著されています。
ただし、ノウハウ本ではないので、
子育ての参考書と考えると若干読みづらさもあるかと思います。
なので、読者は全部完璧に理解しようとするよりも、
今の自身や子どもたちに必要な手法を試してみるといいと思います。
学校の先生にも役立つ手法が書いてあるので、
子育て中でなくても人を育てる立場の方には
有用な情報が得られると思います。
私も学習、教育のプロとして、
「強み」に基づくアプローチを意識して取り入れていきたいです。
読んでくださり、ありがとうございました。