「文章予測 読解力の鍛え方」by石黒圭を読みました。
こんにちは
マナビツナグヒトのみこりんです。
「文章予測 読解力の鍛え方」by石黒圭を読みました。
「予測」する力が、文章を読む力や書く力に、
効果的であるということが、
文章例を使って解説してある本でした。
著者について
著者の石黒圭さんは、
一言で言うと「文章」の研究者。
国立国語研究所兼休憩日本語研究領域代表、
一橋大学大学院言語社会科連携教授という
肩書きをお持ちです。
私も、一応は教育者、
国語の勉強もしていましたが、
こういう研究領域があることを知ったのは初めてです。
そういうことからも稀有な本と出会ったなあと思います。
「予測」とは?
著者は
「予測」について次のように著しています。
本書で考える予測とは、
「今読んでいる文章をとおして感じられる理解のモヤモヤを、
その後に続く文脈で解消しようと期待する読み手の意識」
のことです。 ~P63、64より
文章を読む時、書くときに、
この予測の力が働き、
思っている以上の効果を得ることができるといいます。
本書では、その予測を、
「読む」という立場からと「書く」という立場から、
解説をしています。
「読むときの予測」と「書くときの予測」
「読む」ときに発生するのは、
「問い」の予測と「答え」の予測です。
これらは、
文章を読む時に発生する問いと答えの仕組みは
どのような仕掛けによるものかを分析します。
「書く」ときに発生する予測は、
読み手の心をどう動かすか、ということを意識したものです。
それらを、実際の文章を使って、
働きを解説しているところが本書の特徴だと思います。
銭形警部の名セリフも予測の力を利用していた
最後に1つその例をあげます。
これは予測を発生させる書き方の例です。
「文章にタメを作る」ことで、
読者は次に何が来るのかを予測しながら読みます。
それが、文章に引き込む表現効果であるといいます。
映画「カリオストロの城」の終盤のシーン、
銭形警部の名セリフもこの効果を使っているというのです。
その部分を引用します。
銭形警部「くそー、一足遅かったか。ルパンめ、まんまと盗みおって。」
クラリス「いいえ、あの方は何も盗らなかったわ。私のために戦ってくださったのです。」
銭形警部「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。」
クラリス「・・・・・」←ここがタメです。
銭形警部「あなたの心です。」
クラリス「(笑顔になって)はい。」 〜P164より
このシーンでは、
何を盗んだのかを語る前にタメを作ってその次の言葉を待たせる、
という仕掛けがあるということでした。
なるほどなあとわかりやすい一例でした。
まとめ
本書は今までに読んだことのない類の文章論でした。
研究者とは面白い視点でものを見るのだなあと
妙なところへの関心しきりでした。
読んでくださり、ありがとうございました。
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