児童虐待、学校での現状と対応【教育】

学校現場で、時折心配な子に出会うことがある。親からの愛情に飢えているのではないか?養育が足りないのではないか?さらにいうと、それは虐待ではないのか?

こんにちは

マナビツナグヒトのみこりんです。

学校現場で、時折心配な子に出会うことがある。

親からの愛情に飢えているのではないか?

養育が足りないのではないか?

さらにいうと、それは虐待ではないのか?

もうすぐ11月も終わります。

11月は、「児童虐待防止月間」です。

学校現場で見られる心配な子への対応について書いていきます。

児童虐待とは?

そもそも児童虐待とはなんだろう?

ということです。

教員も意外と知らないことが多いので基本的なことをざっくりまとめました。

《日本の児童虐待の現状》

虐待による死亡事例は年間約50名。

1週間に一人が親からの虐待で命を落としている計算になります。

この中で最も多いのが0歳児です。

まさにものを言えぬまま、大切な命を奪われてしまっているのです。

児童相談所への通告件数も年々増えています。

一般に、虐待の件数として報告されるのがこのデータによるものです。

平成29年度の相談対応件数は135778件。

前年度よりも約13000件の増加です。

《児童虐待の種類》

児童虐待と呼ばれるものには次の4種類があります。

・身体的虐待:身体に対する暴行

殴る、蹴る、ものをぶつける、などの直接的な暴行です。

目に見えること、場合によっては即命の危機になります。

・性的虐待:性的な行為を強いる、見せたり触らせたりするなどの行為

被害を受けた子どもは、幼すぎてなにが起きているのか

わからないうちに進行するケースが多いです。

脅されたり口止めされたりで、事実を話せないケースもあります。

・心理的虐待:脅す、無視をする、家族間で差別するなど自尊心を傷つける行為

子どもがDVを目撃するのもここに含まれます。

近年の増加の背後にはこのケースの増加が関係しているそうです。

目に見えませんが、心に深い傷をつける行為です。

・ネグレクト:養育放棄・拒否、保護者の怠惰などの行為

食事を与えない、衣服を着替えさせない、子供を残しての外出など、

適切な養育を施せないケースです。

乳幼児だと命に関わる行為も多く存在します。

 

学校で見られる虐待が心配な子どもの姿とは?

上の事例でいうと、

まず、暴力を受けている子どものケースがあります。

顔にアザがあるとか腫れているとか、

急に骨を折ったとかならわかりやすいですが、

そういう例は割と少ないです。

たまに、昨日喧嘩で殴られた、

という子もいるので、

定期的に声をかけたり観察したりしていました。

いうこと聞かなければ殴るのも躾のうち、

と思っている親はまだ多いです。

次にネグレクトに当たるケース、

目につくのは頭髪や服装、給食を食べる様子、そして口腔状態です。

お風呂に入らず満足な着替えもなく、

異臭が漂う子もたまにいます。

給食では異常な食欲を見せガツガツ食べる子、

これも要観察児童と言えます。

たまに、寝坊して朝ごはんが食べられなかった、

という場合もありますが、それは問題とは言えません。

親が朝起きられず食事を用意しない、

調理せずスナック類を与えているということはよくあることです。

それも即虐待とは言えないのですが、

養育能力不足によるネグレクトに入ると思って見ていました。

そういう子たちの中には、

歯の状態が極端に悪い場合があります。

十分な栄養を取れていないことや治療を受けていないことが

原因として考えられます。

実はこの口腔の状態から虐待を発見することが多いのです。

心理的虐待を受けている子どももいました。

家庭での状態の話を聞くと胸が詰まるような

生活を送っていることもあります。

これも一時的に(おそらく感情で)起こる場合と

継続してある場合があります。

子どもの表情や人との接し方を見ていて

「あれ?」と思う子には、

少なからずこの事例を抱えている場合がありました。

最後に、性的虐待です。

これは起きるとダメージが大きいのですが、

本人の告白がない限りわかりません。

なかなか手を打てないのがこのケースです。

学校が果たす役割とは?

「児童虐待防止法」には学校が果たす役割が書かれています。

それによると主に次の4つがあります。

(1)学校及び教職員は、児童虐待の早期発見のための努力義務

(2)児童虐待を発見した者は、速やかに福祉事務所又は児童相談所へ

通告しなければならない義務

(3)児童虐待の被害を受けた児童生徒に対して適切な保護が行われるようにすること

(4) 児童相談所等の関係機関等との連携強化に努めること

などです。

一般の教員は、この中で(1)に努めることになります。

(2)~(4)は、管理職の役割になることがほとんどです。

また、養護教諭は(3)に関してとても重要な役割を果たします。

傷ついた子どもの心を癒す対応、

それも学校で求められていると言えます。

虐待では?と思った時に行うことは、

子どもの話を聞くこと、保護者との面談で家庭の状況を知ることです。

ほとんどはこの対応でカバーしています。

重篤なケースは、

教育委員会を通じて、自治体の相談機関と連携を取り

必要な対応を行うことになります。

児童保護機関である児童相談所への通告や相談は、

そのあとになります。

直接連絡することも多いですが、

命に即関わることでない限り、なかなか対応してもらうことはありません。

幸いなことにそういうケースは稀です。

なので、学校、地域、行政でセーフティーネットをはり、

虐待を防ぐ環境を作るアプローチが一番多いように思います。

みこりんの思い

児童虐待は子どもの未来の可能性を奪う、

許されない行為だと思います。

しかし、その背景には親も同じような環境であったり、

社会的に弱い立場にあったりする場合が多く、

一概に誰かが悪い!!と断罪できない苦しさがあります。

本来は社会全体でこの課題を解決していくべきなのですが、

なかなか解決には届いていない現状です。

だからこそ、多くの人がこの実態を知り、

何らかのアクションを起こすことが必要なのです。

私もできることをしていきます。

読んでくださりありがとうございました。

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この記事を書いた人

みこりん